テレビが2011年03月19日 18時05分49秒

昨年の九月の終わりにテレビが壊れた。
それ以来我が家にはテレビが映らない。
子供が「うちにはテレビがない」というと
「テレビがないのではない。映らないだけだ」
とわたしが訂正する。
半年もテレビの映らない生活をしていると
それが当たり前になってしまう。

我が家では今回の大震災の情報を
新聞とラジオとインターネットで得ている。
大きく揺れたが我が家では地震の被害がほとんどなかった。
なにか被災した人たちに申し訳ないような気がする。
仕事上で、頼んでいた備品・材料が入らない、
作った製品がいつ出荷になるかが決まらない。
本州の取引先の被害の状況が徐々に明らかになってくるのにつれて
なんともいえない気になってくる。

わたしの祖父の出身地は宮城県桃生郡矢本町というところだ。
被災した地名にはなかった。
祖父のいたころは鷹来村大曲と言ったらしい。
20数年前に一人で訪れたとき、そのあたりの家は自分と同じ苗字ばかりだった。探し当てた家は古い大きな平屋で建ってから百年とか二百年経つと父から聞いていた。だがわたしが行った20数年前には、その家に住む人が誰もいなかったので父の叔母から聞いた寺に行き、お参りをしたことを思い出す。
今も仙台と石巻に父の従兄弟が住んでいる。
何人かとは連絡が取れたが何人かとは連絡が取れないそうだ。
矢本町は2005年に鳴瀬町と合併して東松島市になっていたことは
昨日までまったく知らなかった。
ネットで見た矢本は穏やかな風景が一変してしまっている。

わたしは映らないテレビを呆然と眺めている。

贈り物2008年12月23日 12時06分12秒

あなたに贈り物があるんだ。

わたしがたとえ
金持ちであっても貧乏人であっても
才能があろうが無かろうが
健康でも病気でも
若いときでも老いても
贈ることができるものは
いつも変わらない。

形のあるものではないよ。
物は贈らない。

贈り物は
わたしとの思い出。
役に立つかどうかもわからない。
あなたにはいらないものかもしれない。
だから、受け取らなくてもいいんだ。

あなたに贈ることが
わたしにとって宝物。

あなたとわたしの間にある、思い出。
あなたからの贈り物。宝物。

ひとくち童話2008年12月22日 22時01分55秒

小学校1年の息子3に東 君平の「ひとくち童話1(フレーベル館)」を読みきかせた。
なかなかいい。

わたしが特に気に入ったのがP66の「しじみ」

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  しじみ

 しじみの こどもが、ひろい うみに でました。

 ”ぼくは もうじき あさりに なれます”

 しじみは おかあさんに てがみを かきました。

 それから しばらく ひが たちました。

 ”ぼくは もうじき はまぐりに なれます”

 しじみは おかあさんに てがみを かきました。

 すると おかあさんから、

 ”しじみに もどって かえっておいで”

 と、かいた てがみが とどきました。

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ね。
いいでしょ。

息子3は、「しじみ」にはそれほど興味を示さなかったんだけど、
「ひとくち童話、読んでやろうか」
と、言うと
「いいけど」
と、言って、布団にもぐりこんでくる。

なんだかなぁ2007年10月07日 09時34分24秒

先日、夕食を食べながらテレビを眺めていた。
TBS系の番組で、世界弾丸トラベルというのをやっていた。
世界遺産を駆け足で見に行くのだ。
笑福亭鶴瓶が進行で黒川紀章がゲストコメンテイターというようなかっこうだ。
そこにデヴィ夫人が出ていた。
インドネシアのスカルノ大統領夫人だったことしか知らない。
67歳の彼女はアンコールワットを見に行っていた。
そこまではへぇーなんて眺めていたのだが。
そのあとデヴィ夫人がマシンガンを撃ったり、バズーカをぶっ放すツアーに参加していた。それが世界弾丸トラベル大賞。
ふーん、とか思って見てたのだけど。
なぜか釈然としない。
なにかものすごく腹が立った。
バライエティとはこんなものだろうけどさ。

何に腹が立つのか。
よくわからないまま自問自答した。
報道のTBSって言われた放送局じゃないのか。
こんなことをやって喜ぶなよ。
フリーのジャーナリストがミャンマーでどうやって死んだんだ。
おいおい、黒川紀章。都知事選に立候補したとき、なんて言ってたんだっけ。よく覚えちゃいないけど。
スカルノはどうやってインドネシアを掌握したんだ?
国会は何を議論してるんだっけ。
沖縄は今何をしてるんだ。
イラクは?アフガンは?北朝鮮は?チェチェンは?ダルフールは?
へぇーとか、ふーんとか、俺の感想はバライエティもニュースも過去も未来も同じか?
こんなもん見て喜ぶなよ、
こんなもん見て腹立てんなよ、馬鹿な俺。

ミャンマーからのゲストの笑顔が、悲しげに見えた。

(昨日のニュースはベトちゃんが亡くなったこと伝えた)

青い空2007年09月13日 10時33分55秒

青空が高い。
とんぼがつがいで飛んでいる。
熱気の中にひんやりとした風が過ぎる。
もがいていた若いころを思い出す。
くっついて飛んでいる姿すら嫉妬する自分に苛立っていた。

そんなこともあったねと、とんぼは悠然と目の前を飛ぶ。

経てきた人生を否定されることがある。
若いころは否定を拒否して腹を立てた。
自分はそうじゃない、おまえに何がわかる。
いまは折り合いをつけようとする自分に苛立っている。

時が移ろっただけで何も変わってないんだよ。

公園の横を自転車に乗った高校生の一団が通り過ぎていく。
男の子も女の子も夏の制服から熱気が溢れている。
僕はベンチから立ち上がって、スーツの皺を気にした。
とんぼはあとからあとから飛んでくる。

見上げると青い空に飛行機雲がまっすぐの白い一本線を描いてる。
ふきのとうの風来坊を口ずさみながら公園をあとにした。