備忘録22008年05月27日 05時32分45秒

わからないことだらけなのだ。

異界に通じる扉。
なぜ人は桃源郷を求めるのか。
鏡とは?対称性とは?

幕末から日清日露戦争を市井の人はどう見たんだろう。
せいぜい100年から150年ほど前のことなのに、わからない。
何を求めて死に、何を捨てて生きたのだろう。

榎本武揚はなぜ自刃しなかったのか。
福沢が痩せ我慢の説で糾弾したのは、何だったのだろう。
陸奥のような国家戦略を考えられる外務大臣を使いこなした
伊藤博文は、どんな世界を見ていたのだろう。

カイエ・ソバージュ 中沢新一を読んでいる。
『人類最古の哲学―カイエ・ソバージュ〈I〉』
『熊から王へ―カイエ・ソバージュ〈II〉』
『愛と経済のロゴス―カイエ・ソバージュ〈III〉』
『神の発明 カイエ・ソバージュ〈IV〉』
『対称性人類学 カイエ・ソバージュ〈V〉』
V、I、IVと読みはじめてしまったから、なんだかたいへんだ。
で、結局、「神話と意味」レヴィ・ストロースを読んだ。
フランス語の翻訳でなくて良かったかも。
英語で自分の考えを解説をしたようなレヴィ・ストロース入門の手引きかも。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』ですら読むのをご遠慮していたのに。

でもなんとなく詩とか音楽とか見えないものを、自分が求める理由が分かるような気になるのが不思議だ。
まあ、だからといって何かわかったわけではないのだ。

ただ、人はなぜ無意識のなかに意味を求めるのか、考える道筋ではある。
神話がなぜ必要なのか。
異界なのだ。

うんと幼い頃、昼寝をしては泣いていた。
自分はどこからきてどこへ行くのか。
見たこともない過去と見ることのない未来の夢。
心の奥底で聞いた声の意味は捉まえられないまま。
でも、歩くことが自分が生きる意味なのだと気づいた。

ライラックが、いつの間にか満開である。

コメント

_ 儚い預言者 ― 2008年05月27日 10時23分44秒

<うんと幼い頃、昼寝をしては泣いていた。 >
<自分はどこからきてどこへ行くのか。>
<見たこともない過去と見ることのない未来の夢。>
<心の奥底で聞いた声の意味は捉まえられないまま。>
<でも、歩くことが自分が生きる意味なのだと気づいた。>

 なんて素晴しい詩なんでしょう。

 いままで読んだ中でこれほどに感動を覚えたことは余り無いような気がします。
 そう、これは私も同じ事をいつも幼いときに感じていたのでしょう。
 今は、その意義探しに夢中で、現実の夢と実在の夢がどうも一致しないというか、バランスを図るのにどうしようかと、思案しています。勿論、そんな格好ええもんじゃないですけれど。

 結論は皆知っているし、其々、真理も心深く感じている。
 ただ自分という旅に出て、再び出会う時、どれだけ大きな贈り物を輝かせるか。というかくれんぼ的な、制限と不足の夢に果敢に挑戦していることは、偉大で勇敢な姿であることは間違いないと思います。

 無限は命を知らない。ただ命としての夢でしか自分の自分を知る喜びがないのではないでしょうか。

 ライラックは囁く。
 「私はここよ。あなたはどこに。でも私は知っている。あなたがいるから私もいるのよ。忘れてもいいの。でもその旅で一番の事は何なの。
 その大きい夢の中で、私はあなたと出会った。私に喜びを与えてくれた。ありがとう。私はいつもあなたを見てる。あなたに私の精一杯のきらめきで答えるわ。」

_ コマンタ ― 2008年05月27日 17時20分31秒

きのめさんは勤勉である上に頭が柔らかいなあ。思想に古いも新しいもありませんが、(流行っていたころではなく)いまレヴィストロースを読むというのは好きじゃなきゃできないと思います。中沢氏の本もよく読んですごい。ぼくはⅢだけ読んだことがありますが、難しくて説明できない(笑)。

_ おさか ― 2008年05月27日 18時06分17秒

異界ね
この世と違う世界
どういう位置関係でどうなってんのかな
最近ね、現実のほうが怖いでしょ
若い女の子を部屋で待ち伏せしてその日のうちに殺してバラバラにしちゃうようなヤツに比べたら、幽霊や妖怪のほうがよっぽどかわいい
そういう、昔からの説話も民話もビックリな現実が日常的に存在する状態のほうが怖い
異界、が侵食してきたのか、それともこの世が異界の常識を超えてしまったのか

結局人間てなに一つ理解できてないんだなあと思う
理解することが正解なのかどうかはまたわかんないけど

_ ヴァッキーノ ― 2008年05月27日 22時21分13秒

ボクも友達に中沢新一すごくいいから読めって薦められたんですけど、なんかイスラエルかどっかの情勢みたいなのと哲学を合わせたみたいであんまり頭に入ってきませんでした。でもその友達は中沢新一の講演会とかに行って、とても好きらしく、逢うたびに読んだ?読んだ?って聞かれます。
すいません! あれ以来読んでません!
でも、「寝ながら学べる構造主義」は読みました。
頭がいいけど、それをできるだけひけらかさないように書いている努力が読み取れて、なかなか面白かったです。
頭のいい人がみんなこうなら、もっと勉強が好きになる人が増えると思うんですけど、なかなか難しいことは、簡単に、簡単なことは面白くってのが難しいんですよね。
とか言っちゃって。

_ きのめ ― 2008年05月30日 22時41分29秒

儚い預言者さま
わたしはいつもなにか救いを求めているくせに
救いを求めている人になにも与えようとしません。
いつも善意の弱者だと胸をはってるんですね。
いまの自分が、これ以上でも、これ以下でもないんですけど。

コマンタさま
ありがとうございます。
言葉は、いまさらですが不思議なものですね。
言葉に不足している機能を補うために、
人はありとあらゆる可能性を探し出し
言葉以上の意味を持たせようとする。
どうしてなんでしょうかねぇ。

おさかさま
無意識がね、人が人である根本なのかもしれない。
そこは無であり時空を超えすべてが偏在し混沌でやはり何も無い。
過去に生を受けた人、これから生を受ける人すべてに無意識がある。
それらはすべてつながっているとしたら、どうなるんでしょう。
夢・幻、なんでしょうかね。

ヴァッキーノさま
ヴァ房、読んでますよ。
ますます磨きがかかって、すごいです。
文章塾に顔を見せない方々も、いい味出してますよね。
これもヴァ房修行の賜物。
よろしくお願いします。

_ 蝶子 ― 2008年06月05日 12時00分53秒

読みたいと思っているのにまだ手を出せずにいる本 ↓
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/book/book491.htm

木の目さんの思索とは関係ないかもしれませんが、当事者外の視点で書かれたものって発見がありますよね。

ジョルジュ・フェルディナン・ビゴの風刺画集とか、楽しいですよ。

私、思うのですが、昔の人はのほほんと生き、のほほんと死んでいったと思います。生きることに意味など求めずに。何もかもに意味づけしようとするから、生きにくくなる。自分で自分の首絞めたあげく異界へ逃げようとするのが現代人の特徴。

_ きのめ ― 2008年06月05日 23時24分54秒

あら、蝶子さん。いらっしゃい。

実はB・A・F「隣の村」を書いていて、ちょっとだけ科学的・歴史的な資料調べをするので
河出書房「鏡の歴史」マーク・ペンダーグラスト
紀伊国屋書房「自然界における左と右」マーティン・ガードナー
主婦の友社「話を聞かない男 地図を読めない女」ピ-ンズ夫妻
講談社メチエ「対象性人類学」中沢新一
中公新書「海を渡った幕末の曲芸団」宮永孝
吉川弘文館「旧幕臣の明治維新」樋口雄彦
道新選書「咸臨丸 栄光と悲劇の5000日」合田一道
中公新書「戦略的思考とは何か」岡崎久彦
などなど読んでいるうちに中沢新一にはまったのでした。

いまは、クラウゼヴィッツの「戦略的思考」とか「戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ」読んでます。

岡崎久彦を読んだからには日露戦争、読みますとも。

実は左足の親指の骨を折って、へこんでやけくそですが、
前よりほんの少しだけこころに余裕が出てきた木の目です。

_ 儚い預言者 ― 2008年06月07日 10時04分11秒

 符牒。外と内との対話。
 どうしたって、自分を抜きにしては世界を語ることはできない。客観的世界があるにしても、その素晴しさは自分の夢であるかもしれない。

 あっひーー、骨折ーー。それはいまあなたの内なる声が外への、或いは外からの事柄への没入を少し調節することであったかもしれない。

 えっひーー、きっちり固定しないと、ずっと痛みが残りますよ。辛抱辛抱、ここ一ヶ月を獲るか、この先ずっと痛みを獲るか、どうします。あなたの夢に祝福を。
 あっひーー、体でした。歩むは歩く。その中に夢がある。その夢に陰りを創ってはいけませんよね。

_ (未記入) ― 2008年06月07日 17時55分08秒

儚い預言者さま
本日も仕事です。さすがに5時で退社いたしました。
病院へはガーゼ交換で毎日通っています。
会社から車で15分ほどなので、営業に出るついでに寄ってます。
実は骨折というのは初めてで、「たぶんこの場所は治りが遅いでしょう」とお医者さんに言われても、ぴんときません。
とりあえず痛みがひくまで、毎朝の散歩は中止の予定。

_ ヴァッキーノ ― 2008年06月09日 23時33分16秒

あららぁ、骨折ですか。
親指だなんて、また太いトコいきましたねえ!
踏まれただけでも、親指って痛いのにぃ。。。
とにかく、早くよくなれ、チチンプイ!

_ きのめ ― 2008年06月11日 07時54分16秒

ヴァッキーノさま
ありがとうございます。
来週にはギプスが取れます。
骨太の男ではなかったようです。
骨を折ってから毎日牛乳と小魚を食べてます。(遅っ
骨折り損のくたびれもうけ。
そうか、儲けがあったんだ。

_ 儚い預言者 ― 2008年06月14日 21時58分50秒

 宇宙は異界でない。それはなぜか。答を聞いて余計にむず痒くなるに違いない。
 鏡である。
 あなたが思うとおりに宇宙があるからだ。
 アインシュタインは信じてはいなかった。
 しかし、科学的傍証が今や否定しきれないほどある。
 そう、宗教的な祈りを、科学が肯定するのだ。

 何処から来て、何をする為に、何処へいくのか

 人類の発祥と行末には、そうあなたの意識が絡んでいるのだ。
 あなたが分からないと思えば、そう、当然に異界としての宇宙があるであろうし、あなたがそうであると規定し、信念を持てば、その通りの夢が実現するだろう。

 一粒のカラシ種ほどの信念でもあれば、山は動くであろう。

 宇宙はホログラフィックな装いである。小のなかに大があり、上には下がある。そして投影することの現実と投影された幻を含む。
 ここ、あそこという距離も、現在、過去、未来という時間も意味を為さないというか、あることがすべてに影響を与える。

 鏡は嘘をつかない。が人間は解釈という嘘で、鏡に自分の色を見る。ただそれだけ。

 祈りの言葉の最初に、「天にまします父なる神よ」と云いますが、アラム語の原書では、「燦然たる神よ、あなたのことを思い出すとき、たとえ暗闇の中であろうとも、あなたは私たちの内側も外側も照らしてくださいます」となっているらしいです。
 となると、これは神はどこか遠いところではなく、私たちの近くにいるというか、私たちに寄り添っているだけでなく、私たちそのものであり、世界に浸透していることを言っているのではないでしょうか。

_ きのめ ― 2008年06月21日 12時20分18秒

儚い預言者さま
このように変化のないブログへ、たびたびのお越し、ありがとうございます。
仕事が忙しいのはいいことですが、もともと持っている能力があまり高くないので、ぐったりしています。
いろいろなことをゆっくり考える暇がないのが、わたしにはストレスのたまる原因です。

_ 儚い預言者 ― 2008年06月22日 18時11分41秒

 フィードバックの取れない事はどうも疲ればっかりですね。私は立ち止まります。どんな時にも。時が待たないときも、1、2分でいいんです。これがどんな結果であり、どんな原因になるのか。
 そうすればたぶん自分の今課題にある事より、本当の真実の姿がふっと現れるかもしれません。

 フランツ・カフカの言葉
「あなたは自分の部屋から出て行く必要はない。自分のテーブルのそばで座ったままで、聞きなさい。聞く必要もない、ただ待つのだ。待つ必要さえない、ひたすら沈黙し、静かにし、そしてただ一人になるのだ。世界は、仮面を外して自由にあなたに自分を差し出すだろう。それには選択の余地はない。それは、エクスタシーのうちにあなたの足元に入り込んでくるだろう。」

 あなたも世界も結局ひとつです。不二。

_ きのめ ― 2008年06月27日 21時39分23秒

儚い預言者さま
今週は、ずたずたのぼろぼろです。
文章塾へのコメントもできずじまいです。
いろいろな能力が低下しているようです。
足の親指の骨は、まだくっついていないので、
ギプスはつけたままです。
様子を見たうえで、ボルトで固定する手術も検討するようです。
いつもありがとうございます。

_ manicure ― 2017年05月04日 20時04分03秒

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